アパレル検品の採寸方法|測定位置・置き方・許容差をそろえる

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通路の両側に段ボール箱とパレット貨物が保管されている倉庫の風景

「工場では規格内だったのに、倉庫で測ると寸法が合わない」。アパレル検品でこのような違いが出たときは、すぐに縫製不良と決める前に、同じ商品を同じ位置・状態で測ったかを確認します。測定位置、平置きの状態、生地の伸ばし方、片面幅と周囲寸法の区別がそろっていなければ、数値だけを比較しても判断できません。

本記事は、日本企業が中国倉庫へアパレル検品の採寸を依頼する際の実務ガイドです。品番・サイズ別の採寸表を、倉庫で再現できる測定指示と個別記録へつなげます。外観・縫製・副資材を含む全体の確認項目は、アパレル検品チェックリストをご参照ください。

最初に「商品の実寸」と「身体のサイズ」を分ける

衣類のサイズ記号やタグの数値を、そのまま検品時の基準値にはしません。ユニクロの公式説明でも、実物を測った商品サイズ(仕上がり寸法)と、身体を測ったヌード寸法は区別されています。[1]

倉庫へ渡すのは、対象品番の承認済み仕上がり寸法表です。販売ページのサイズ表、工場の仕様表、承認サンプルの実測値が異なる場合は、どれを基準にするかを作業前に確定します。他社のサイズ表や誤差に関する説明を、自社商品の許容差として転用しないでください。

資料・表示 意味 検品依頼時の扱い
S・M・L等のサイズ記号 商品を区分する表示 品番別の仕上がり寸法と対応付ける
身体の寸法・適応サイズ 着用者側のサイズ情報 商品の実寸と混同しない
仕上がり寸法表 商品の測定位置ごとの基準値 版番号、測定図、許容範囲を一組にする
承認サンプル 合意した現物の仕上がり 表との不一致があれば、基準の優先関係を確認する

採寸箇所には名称ではなく番号と線を付ける

「着丈を測る」と書くだけでは、後ろ中心と肩側のどちらを起点にするか、襟を含めるかが曖昧です。商品写真または図へ測定線を描き、起点、終点、通る位置を番号で指定します。直線で測るか、縫い目や曲線に沿わせるかも明記します。

項目の例 図・写真で決める内容 記録時の注意
身幅 脇付近のどの高さを、どの線で測るか 平置き片面幅か、周囲寸法かを明記する
着丈・身丈 起点、前後、襟やリブの扱い、裾の終点 似た名称を使う場合も測定線番号で照合する
肩幅・袖丈 肩線、袖付け、袖口の基準点 ラグラン袖などは別の測定図を用意する
ウエスト 留め具の状態、測定高さ、ゴムの状態 自然状態と伸長状態を別項目にする
股下・裾幅 股の交点、縫い目、裾の測定線 左右を測るか、指定した片側かを決める

この表は指示を作るための例で、すべての衣類に共通する採寸規格ではありません。依頼する商品の構造に合わせて、発注者と製造側が測定方法を承認します。

「平置き幅」と「一周分」を同じ欄へ入れない

片面幅を二倍した値で管理する場合は、測った幅と換算後の値を分けて残します。測定方法上、その換算を採用するかも事前に決めます。表の見出しに「身幅・片面」「周囲・換算値」などの区別を置き、単位を欄ごとにそろえてください。

平置き・留め具・伸縮状態を採寸条件にする

同じ測定線でも、しわやねじれ、ボタン・ファスナーの開閉、生地へ加える力で状態が変わります。測る前の準備を作業手順として指定します。

  • 採寸する面、表裏、前後、左右をそろえる
  • 平らな場所でしわ・重なり・ねじれを整える方法を決める
  • ボタン、ファスナー、ベルト等をどう扱うか指定する
  • ゴムやニットは自然状態と伸長状態を混同しない
  • 袋出し直後、仕上げ後など、測定する商品の状態を固定する
  • アイロン、洗濯、引き伸ばし等を独断で追加しない

「最大まで伸ばす」という指示だけでは、加える力を再現しにくくなります。伸長時の確認が必要な場合は、方法、停止条件、必要な器具と対応可否を確認してから項目に加えます。自然状態の寸法と同じ許容範囲を使うかどうかも、別に承認します。

基準値・上下限・記録桁を一枚の表へまとめる

採寸表は品番・サイズ・測定線番号ごとに作成し、基準値だけでなく下限と上限を記載します。プラスとマイナスで許容幅が異なる場合もあるため、「多少の差は可」といった表現は避けます。

管理欄 指定する内容
対象 品番、色、サイズ、ロット、仕様版
測定箇所 線番号、起点・終点、対象面、左右
測定条件 置き方、留め具、自然状態・指定伸長状態
寸法 単位、基準値、下限、上限
読み取りと判定 記録桁、丸め方、境界値を含むか、再測定の条件
使用器具 種類、識別、使用前の確認方法

記録桁を細かく設定しても、その精度で測れるとは限りません。商品と器具、作業方法に応じた記録方法を合意します。結果を合格へ近づけるために、測定後に丸め方を変えないでください。

計算例:許容範囲は平均値ではなく一着ずつ照合する

以下は計算方法だけを示す架空例です。基準52.0cm、下限51.0cm、上限53.0cm、上下限を含むと合意した場合を想定しています。この値は推奨許容差でも、実際の検品結果でもありません。

現物番号 測定値 その項目の確認結果
例-A 50.8cm 下限外。合意した手順で再測定し、処置判断へ回す
例-B 52.5cm 指定範囲内。他の項目まで合格としたことにはならない
例-C 53.1cm 上限外。元の値を残して確認する

この三着の平均が範囲内でも、範囲外の現物を合格へ変える根拠にはしません。個別値と現物番号を残し、商品全体の判定や出荷判断は別に記録します。

日本企業向け・中国倉庫検品のご相談

採寸表を、倉庫で再現できる検品指示へ整理する

採寸表、測定位置が分かる商品写真、SKU別数量をご共有ください。基準値だけでなく、平置きや伸縮の条件、対象数、個別記録の希望を確認し、必要な資料と作業範囲を整理します。

  • ✓商品写真・採寸表・測定図
  • ✓品番・色・サイズ別の数量
  • ✓対象数・許容範囲・報告形式
  • ✓入庫予定・出荷希望日
メールで採寸・検品を相談するLINEで相談するお問い合わせフォーム

対応範囲・費用・作業日程は、商品、測定方法、対象数、入庫・出荷予定を確認したうえで個別にご案内します。

採寸する対象数を、外観検品の対象数と分ける

外観を全数確認する依頼でも、寸法を全数測るとは限りません。測定箇所ごとの対象数、品番・サイズ・色・ロット別の内訳、現物の選び方を指定します。担当者が手近な一着だけを選ぶ運用になっていないか確認してください。

  • どのSKU・ロットから、何着を対象にするか
  • 一着あたり、どの測定線を確認するか
  • 左右差を確認する項目と対象数
  • 未確認項目を報告書でどう表示するか
  • 範囲外が出た場合に、どの対象を追加確認するか

方式の選び方は全数検品と抜き取り検品の違いで整理しています。多品番・分納では、アパレルの分納・多品番管理と同じSKU・入庫番号を採寸記録に使うと、現物を追跡しやすくなります。

採寸結果は現物番号と測定線番号で記録する

「Mサイズ問題なし」という報告では、誰がどの一着をどの方法で測ったか分かりません。個品と項目を特定できる明細を残します。

明細の欄 記入内容
現物識別 [入庫番号・SKU・ロット・現物番号]
適用資料 [採寸表の版・測定線番号・条件]
基準と結果 [下限]/[上限]/[初回測定値]
再測定 [理由・方法・再測定値・担当者]
証拠 [全体写真・測定位置・目盛りの写真番号]
処置 [適合・不適合・判断保留]/[確認先・回答]

写真は、測定の起点と終点、メジャーの通り方、値が分かる一組にします。目盛りのアップだけで、測定線が正しいと確認したことにはしません。報告書の受け取り方は中国倉庫の検品報告書の確認方法もご覧ください。

工場と倉庫で値が違ったら、同じ現物で条件を照合する

異なる二着の値を比較しても、測定方法の違いなのか、商品自体の差なのかを分けにくくなります。可能な範囲で同じ現物を特定し、使用した資料と条件を照合します。

  1. 品番・サイズ・ロット・現物番号を照合する
  2. 採寸表の版と測定線の起点・終点を確認する
  3. 平置き、留め具、生地の状態、使用器具を確認する
  4. 最初の値を残したまま、指定した条件で再測定する
  5. 差が残る場合は保留し、追加確認と承認者を決める

何度も測って都合のよい値だけを採用しないよう、再測定の回数、誰が確認するか、結果の採用方法を事前に合意します。基準変更が必要になった場合は、変更理由と適用ロット、すでに測定した商品の再確認範囲を記録してください。

出荷前の採寸と、洗濯後の寸法変化試験は別に扱う

出荷前の現物寸法を確認しても、洗濯後の縮みや変形を確認したことにはなりません。ボーケンの寸法変化率の案内には、家庭洗濯やクリーニング等の処理方法が別の試験として掲載されています。[2]

洗濯等の前後比較を希望する場合は、試料、処理方法、乾燥方法、測定条件、実施先と報告内容を別に確認します。本記事は試験規格の解説ではなく、通常の倉庫採寸との範囲を分けるための案内です。倉庫側の設備や専門試験への対応を、未確認のまま前提にしません。

倉庫へ送る採寸依頼のチェックリスト

  • □ 商品の仕上がり寸法表を、身体のサイズ表と分けた
  • □ 品番・色・サイズ別の基準値と資料の版を確定した
  • □ 測定線の番号、起点・終点、前後・左右を図示した
  • □ 平置き幅と周囲寸法、単位と換算方法を区別した
  • □ 留め具・しわ・伸縮状態・測定前の処理を指定した
  • □ 上下限、記録桁、丸め方、境界値の扱いを決めた
  • □ 項目別・SKU別の対象数と選び方を指定した
  • □ 現物番号、測定値、写真番号の記録方法を決めた
  • □ 範囲外・判定不一致時の再測定と追加確認を決めた
  • □ 保留品の扱い、確認先、出荷承認を決めた

これらを検品指示書へまとめ、工場と倉庫に同じ確定版を共有します。初回は本作業前に測定条件を確認し、曖昧な箇所を残したまま対象数を増やさないようにします。

よくある質問

アパレル検品を全数で依頼すれば、寸法も全数測りますか?

項目ごとの依頼範囲によります。外観の全数確認と採寸の対象数を分け、どのSKUのどの箇所を何着測るかまで指定してください。

サイズタグがMなら、寸法表なしでも判断できますか?

サイズ記号だけでは商品の実寸基準になりません。対象品番の承認済み仕上がり寸法、測定位置、許容範囲を用意します。

寸法の許容差は全商品で共通にできますか?

本記事では共通値を設定していません。商品構造、素材、部位、求める仕上がりと測定方法に合わせて、発注者と製造側が合意します。

少し範囲外でも、平均値が合っていれば出荷できますか?

平均値だけで個品の範囲外を適合へ変えません。個別値を残し、合意した再測定・追加確認と処置承認の手順で判断します。

採寸済みなら洗濯後の縮みも確認済みですか?

出荷前の採寸と、洗濯等を行った前後の寸法変化試験は別です。必要な処理と測定条件、実施先を確認して依頼します。

数値を比べる前に、測り方を一つにそろえる

アパレル検品の採寸は、基準表、測定線、商品の状態、対象数、個別記録がつながって初めて判断に使えます。範囲外の結果を消したり、現場の判断で許容差を広げたりせず、同じ条件で確認し、保留と出荷承認を分けてください。

China2JPの深セン倉庫の検品サービスへご相談の際は、商品写真、採寸表、測定図、SKU別数量、入庫・出荷予定をお知らせください。必要な測定、記録、報告の対応範囲は、商品と作業条件を確認したうえで個別にご案内します。

日本企業向け・中国倉庫検品のご相談

アパレル検品の採寸表・商品写真をお送りください

商品写真、承認済み寸法表、測定図、品番・サイズ別数量、入庫予定日と出荷希望日をお知らせください。未確定の測定条件も含めて確認し、対応可否と報告方法を個別にご案内します。

  • ✓商品写真・採寸表・測定図
  • ✓品番・色・サイズ別の数量
  • ✓対象数・許容範囲・報告形式
  • ✓入庫予定・出荷希望日
メールで採寸・検品を相談するLINEで相談するお問い合わせフォーム

対応範囲・費用・作業日程は、商品、測定方法、対象数、入庫・出荷予定を確認したうえで個別にご案内します。

参考資料・確認先

2026年10月15日に確認しました。下記は用語と確認範囲の参考資料です。特定ブランドの採寸方法や許容差を本記事の共通基準として採用するものではなく、外部機関の試験をChina2JPの保有設備・実績として示すものでもありません。

  1. ユニクロ:商品サイズ・ヌード寸法の測り方 — 商品の仕上がり寸法と身体の寸法の区別。
  2. 一般財団法人ボーケン品質評価機構:寸法変化率 — 洗濯・クリーニング等の処理を伴う試験の案内。

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