中国倉庫の検品報告書|不良写真・数量・保留品の見方

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中国の縫製品工場で複数の作業者が製品を組立・確認する品質管理現場

中国の倉庫から検品報告書が届いたとき、不良写真だけを見て「問題なし」「不良が多い」と判断すると、検品範囲や未確認品、保留事項を見落とすことがあります。日本側が最初に確認すべきなのは、何を、どの基準で、何点確認し、どこまで判断が完了した報告なのかです。

本記事では、日本企業が中国倉庫の検品報告書を見る方法を、案件情報、検品実績、数量、写真、未検項目、保留品、次の指示という順番で整理します。検品の依頼から報告・出荷までの全体像は、深センの倉庫検品の依頼方法もご参照ください。

検品報告書は「合格・不合格」だけを見る資料ではない

検品報告書には、現物の状態だけでなく、検品作業が依頼どおり実施されたかを示す役割があります。最終ページの判定だけでなく、次の三層を分けて確認します。

確認層 見る内容 日本側の判断
作業の前提 対象商品、ロット、仕様書、見本、検品方法 依頼した案件・版と一致しているか
確認した事実 実績数量、測定値、写真、動画、不良内訳 結果を再確認できる証拠があるか
未完了事項 未検品、判断保留、工場回答待ち、再検品予定 次に誰が何を承認するか

「PASS」と記載されていても、依頼した項目の一部が対象外なら、その項目まで確認済みになったわけではありません。逆に不良が記載されていても、該当品が隔離され、良品数量と未確認数量が明確なら、次の判断に必要な情報を持つ報告になり得ます。

最初に報告書の案件情報と版を照合する

同じ商品でも、色、サイズ、生産ロット、入庫便、仕様版が違えば、確認結果をそのまま共用できません。本文を読む前に、報告書の表紙または基本情報欄を注文情報と照合します。

  • 案件名、PO番号、商品名、品番、SKU
  • 工場名または入庫元、入庫日、入庫便、箱番号
  • 生産ロット、仕様書・検品指示書の版番号
  • 良品見本、限度見本、OK・NG写真の参照番号
  • 検品日、検品場所、報告書の作成日と更新版
  • 全数・抜き取りなどの方式と対象範囲

報告書の作成後に差し替えがあった場合は、最新版だけでなく変更理由も確認します。ファイル名を「最新版」とするだけではなく、版番号、更新日時、変更箇所を残すと、旧版による誤承認を避けやすくなります。

予定した検品範囲と実績を横並びにする

依頼書にある予定項目と、報告書にある実施項目を比較します。「外観検品済み」という総括だけでは、ファスナー、付属品、寸法、ラベルなど個別項目の対象数が分かりません。

確認項目 予定方式・対象数 実績数 未実施・差異の理由 追加指示
品番・SKU照合 [ ] [ ] [ ] [ ]
外観 [ ] [ ] [ ] [ ]
簡易操作 [ ] [ ] [ ] [ ]
寸法・重量 [ ] [ ] [ ] [ ]
付属品・ラベル [ ] [ ] [ ] [ ]
個装・外箱 [ ] [ ] [ ] [ ]

全数確認と抜き取り確認を組み合わせている場合、項目ごとに分母が異なります。方式の選び方と追加確認条件は、全数検品と抜き取り検品の違いで整理しています。

数量は総数ではなくSKU・状態別に確認する

報告書の合計数量が発注数と一致していても、色やサイズの内訳が入れ替わっている場合があります。少なくとも入庫数、検品済み数、適合品、不良品、判断保留品、未検品をSKU別に確認します。

入庫数量 = 適合品数量 + 不良品数量 + 判断保留数量 + 未検品数量

ただし、工場返送済み、手直し中、交換品入庫済みなど現物が動いている場合は、移動履歴を別欄で管理します。また、一個の商品に複数の不良項目があれば、不良項目件数と不良品数量は一致しません。現物を重複して数えていないかも確認してください。

数量 確認する質問
入庫数 予定数、納品書、現物箱数と一致しているか
検品済み数 どの項目を確認した数量か
適合品数 保留品や未検品品を含めていないか
不良品数 現物番号があり、重複集計していないか
判断保留数 誰の判断待ちで、現物はどこにあるか
未検品数 追加確認するか、対象外として承認するか

不良率を見る前に分母と集計単位を確認する

同じ「不良5件」でも、確認数が違えば意味は異なります。また、不良項目件数を検品品数で割った数値と、不良品数を検品品数で割った数値は同じではありません。

  • 分母は入庫数か、検品済み数か、抽出数か
  • 分子は不良品数か、不良項目件数か
  • SKU、ロット、入庫便を合算していないか
  • 同じ現物の複数不良を重複していないか
  • 判断保留品を不良品または適合品へ含めていないか

一つの比率だけで出荷可否を決めるのではなく、不良の影響、発生範囲、合否基準、未確認範囲を合わせて判断します。本記事では商品を問わず使える一律の許容値は設定しません。

日本企業向け・中国倉庫検品のご相談

検品報告の不足項目と次の指示を整理する

商品写真、SKU別数量、検品基準、入庫・出荷予定、現在の報告資料をご共有ください。確認済み・未確認・判断保留を分け、追加確認や再検品に必要な項目を整理します。

  • ✓予定項目と検品実績の照合
  • ✓SKU・状態別の数量確認
  • ✓不良写真・測定値・現物番号
  • ✓保留品・追加確認・再検品条件
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対応範囲・費用・作業日程は、商品、検品条件、現在の入庫状況を確認したうえで個別にご案内します。

不良写真は「現物を特定できる一組」になっているか

不良箇所のアップ写真だけでは、どの商品・どの位置・どのロットか判断できません。写真は証拠番号を付け、報告書の不良明細と対応させます。

写真 確認できる内容 不足しやすい情報
商品全体 商品、向き、該当面 品番や現物番号
不良箇所のアップ 傷、汚れ、縫製、部品状態 全体のどの位置か
尺度付き写真 傷や隙間のおおよその大きさ 測定位置、単位、器具
ラベル・箱番号 SKU、ロット、入庫便 現物写真との対応番号
比較写真 承認見本、良品、不良品の差 どれが基準品か
包装状態 個装、内装、外箱への影響 開梱前か処置後か

色差や反射、微細な傷は、照明、角度、撮影端末によって見え方が変わります。写真だけで判断できない場合は、限度見本との比較、追加撮影、現物保留など、判断方法を指定します。合否基準の固定方法は、中国OEMの検品基準書も参考になります。

測定値は平均だけでなく個別値と条件を見る

寸法や重量の報告で平均値だけが記載されていると、規格外の個体が平均の中に隠れることがあります。測定が必要な案件では、測定位置、置き方、器具、単位、許容差、対象現物番号、個別値を確認します。

  • 指示書と同じ測定位置・基準面か
  • 器具の表示が読み取れる写真があるか
  • 単位と小数点の扱いが統一されているか
  • 各測定値がどの現物番号に対応するか
  • 規格外値を平均へ埋めず、個別に示しているか
  • 測定できなかった理由が記載されているか

倉庫で実施できる簡易測定と、専門設備や試験機関を要する評価は別です。法令適合、材料安全性、耐久性などを通常の写真付き倉庫検品だけで保証することはできません。

「記載なし」を合格と解釈しない

報告欄が空白の場合、それが「問題なし」「未実施」「対象外」「測定不能」「確認中」のどれか分かりません。空欄を残さず、ステータスを明示してもらいます。

ステータス 意味 日本側の対応
OK 合意した方法・基準で確認し、基準内 対象数と証拠を確認
NG 基準外を確認 隔離、原因範囲、処置を指示
HOLD 日本側または工場の判断待ち 質問、回答期限、現物保管を指定
N/T 未実施 追加実施するか承認
N/A 対象外 対象外でよいか確認
確認不能 設備、資料、現物状態などで確認できない 代替方法または専門確認を検討

判断保留品は質問・期限・保管場所をセットで確認する

判断保留品を長期間そのままにすると、出荷日程や保管、数量確定が止まります。報告書を受け取った日本側は、保留理由を読んで、回答に必要な情報を具体的に返します。

  1. 保留理由を一件ずつ確認する。 基準不足、写真不足、工場回答待ちなどに分けます。
  2. 判断者を決める。 日本側の商品担当、品質担当、工場など、回答元を明確にします。
  3. 必要な追加情報を指定する。 追加写真、動画、測定、見本比較、工場記録などを依頼します。
  4. 回答期限を伝える。 再検品と出荷準備に必要な時間を考慮します。
  5. 現物の保管状態を確認する。 適合品や未検品品と混在させません。
  6. 回答後の作業を指示する。 適合、不良、追加確認、工場返送などへ更新します。

不良発見後の隔離、工場確認、承認済み処置、再検品の流れは、倉庫検品で不良が見つかった後の進め方で詳しく説明しています。

報告書への返信は一件ずつ「承認・質問・指示」に分ける

チャットで「確認しました」「直してください」とだけ返すと、どのページや現物への指示か曖昧になります。報告書のページ番号、不良番号、品番、数量を引用し、回答区分を付けます。

番号 対象 回答区分 日本側コメント 次の担当・期限
01 品番[ ]/写真[ ] 承認/質問/作業指示 [ ] [ ]
02 品番[ ]/測定[ ] 承認/質問/作業指示 [ ] [ ]
03 保留品[ ]点 承認/質問/作業指示 [ ] [ ]
04 未検品[ ]点 承認/質問/作業指示 [ ] [ ]

手直し、部品交換、再包装など現物状態を変える作業は、対象数量、手順、費用、完了条件、再検品方法を確認してから承認します。

出荷承認前に未解決事項を一覧化する

検品報告書の確認が終わっても、すぐ出荷できるとは限りません。日本側の回答後、未解決項目が残っていないかを一覧で確認します。

  • 未検品または未測定の項目
  • 判断保留品と工場回答待ち
  • 手直し・交換・追加確認の未完了
  • 処置後の再検品結果
  • SKU別の適合品、除外品、実出荷数量
  • 再包装、ラベル、箱別明細の更新
  • 返品・保管・廃棄など非出荷品の行先

検品結果を梱包、書類、物流条件まで含む最終判断へつなげる方法は、中国OEMの出荷判定をご覧ください。

検品報告書を受け取った後のチェックリスト

  • 案件、PO、品番、SKU、ロット、入庫便が一致しているか
  • 使用した仕様書・検品指示書・見本の版が正しいか
  • 予定項目と実績項目・実績数を比較したか
  • 全数・抜き取りなど項目ごとの分母を確認したか
  • 入庫数と適合・不良・保留・未検品の合計が合うか
  • 不良品数と不良項目件数を区別したか
  • 写真と現物番号、品番、箱番号が対応しているか
  • 測定位置、単位、個別値、許容差を確認したか
  • 空欄や未確認項目を合格と解釈していないか
  • 保留品への回答、担当、期限、次の作業を指定したか
  • 更新版の変更箇所と未解決事項が分かるか
  • 最終出荷数量は別途承認したか

よくある質問

報告書に「検品済み」とあれば、全項目を確認済みですか?

限りません。検品済みという表現だけでは対象項目と数量が分からないため、項目ごとの方式、実績数、対象外、未実施を確認してください。

不良率が低ければ出荷してよいですか?

比率だけでは判断できません。分母、不良区分、影響、同一原因の範囲、未検品数量、合否条件、処置状況を合わせて判断します。商品の用途にかかわらず適用できる一律の基準はありません。

写真で判断できない不良はどうしますか?

追加角度、動画、尺度付き写真、良品・限度見本との比較、現物保留など、判断に必要な方法を指定します。専門試験が必要な内容は通常の倉庫検品と分けます。

報告書の修正版が届いたら、何を確認しますか?

版番号、更新日時、変更箇所、変更理由を確認し、旧版で出した指示が引き継がれているか、数量や現物ステータスに新たな差異がないかを見ます。

相談時に何を送ればよいですか?

商品写真、品番・SKU別数量、検品指示書、良品・不良の参考資料、現在の報告書、入庫日、出荷希望日をご共有ください。未確定部分は、倉庫で確認可能な範囲から整理します。

報告書を「判断できる資料」にする

検品報告書は、不良写真を集めただけの資料ではありません。案件と基準を特定し、予定と実績を比較し、数量と証拠を一致させ、未確認・保留事項を次の指示へつなげるための記録です。

China2JPの中国倉庫の検品サービスでは、商品、数量、検品条件、入庫・出荷予定を確認したうえで、対応可能な作業と報告内容をご案内します。

日本企業向け・中国倉庫検品のご相談

検品報告から追加確認・再検品へつなげる

現在の報告書と商品情報をご共有ください。確認済み範囲、数量、写真、保留事項を整理し、倉庫または工場へ返す質問と作業指示を明確にします。

  • ✓予定項目と検品実績の照合
  • ✓SKU・状態別の数量確認
  • ✓不良写真・測定値・現物番号
  • ✓保留品・追加確認・再検品条件
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