中国の倉庫検品で不良が見つかったとき、すぐ工場へ返品したり、その場で手直ししたりすると、数量差や責任範囲が分からなくなることがあります。先に行うべきなのは、対象品の流れを止め、良品・不良品・判断保留品を混在させず、工場が確認できる証拠と数量をそろえることです。
本記事では、日本企業が中国倉庫へ検品を依頼する際に、不良発見から隔離、工場確認、処置承認、再検品、出荷判定までをどの順番で進めるか整理します。入庫から検品報告、出荷までの全体像は、深センの倉庫検品の依頼方法もご参照ください。
Table of Contents
Toggle不良を見つけた直後は「止める・分ける・記録する」
不良発見時に重要なのは、原因や責任をその場で断定することではありません。検品途中の商品、確認済みの商品、未確認の商品を区分し、どの現物で何が起きたかを後から追える状態にします。
- 対象ロットの流れを一時停止する。 検品、再包装、箱詰め、出荷のどこまで止めるかを明示します。
- 該当現物を隔離する。 良品置場へ戻さず、識別票を付けた保留エリアへ移します。
- 不良状態を撮影する。 商品全体、該当箇所、品番表示、箱番号を関連付けます。
- 数量を更新する。 入庫数、検品済み数、良品数、不良品数、保留数、未検品数を分けます。
- 日本側へ一次報告する。 現時点で分かる事実と未確認範囲を示し、次の作業承認を待ちます。
検品方法そのものを見直す場合は、全数検品と抜き取り検品の違いで、項目別の対象範囲と追加確認条件を確認できます。
倉庫内のステータスを物理的に分ける
台帳上の区分だけでなく、現物の置場、容器、識別票も分けます。外観が似た商品や多品番商品では、口頭指示だけでは混入を防ぎにくいためです。
| 区分 | 意味 | 現物管理 | 次の条件 |
|---|---|---|---|
| 適合 | 合意した項目で基準内 | 検品済み表示、SKU・数量を記録 | 他の出荷条件を確認 |
| 不良 | 基準外であることを確認 | 不良種別と現物番号を付けて隔離 | 工場回答と処置承認 |
| 判断保留 | 限度見本や日本側判断が必要 | 適合品・不良品の双方から分離 | 写真・現物・追加情報で判定 |
| 未検品 | まだ指定項目を確認していない | 検品済み品と別の置場に保管 | 追加確認の範囲を承認 |
| 処置済み | 手直し・部品交換・再包装などを実施 | 処置内容と実施日を記録 | 再検品で結果を確認 |
「不良品」と「判断保留品」を同じ箱へ入れると、工場回答後に何を再確認すべきか分からなくなります。識別票には少なくとも、案件名、品番、現物番号、数量、不良区分、発見日、処置状態を記載します。
工場確認に使える証拠を一組にする
「傷がある」「縫製が悪い」という文章だけでは、工場が対象品や原因範囲を確認できません。一件の不良について、写真、動画、数量、ロット情報を同じ識別番号へひも付けます。
| 記録 | 確認できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 商品全体の写真 | 製品、向き、該当面 | アップ写真だけにしない |
| 不良箇所のアップ | 傷、汚れ、縫製、部品状態 | 位置が分かる全体写真と対にする |
| 寸法・隙間の写真 | 測定位置と表示値 | 器具、基準面、単位を明示する |
| 動作動画 | 異音、作動不良、開閉状態 | 操作手順と判定条件を残す |
| ラベル・箱番号 | 品番、SKU、ロット、入庫便 | 商品写真と同じ現物番号にする |
| 外箱・内装写真 | 輸送・包装の影響を検討する材料 | 開梱前後の状態を分ける |
撮影記録は原因を一方的に決めるものではなく、工場、倉庫、日本側が同じ現物を見て判断する材料です。合否基準や不良区分をまだ固定していない場合は、中国OEMの検品基準書で、OK・NG写真と判断保留条件の作り方を確認してください。
不良品数と不良項目数を分けて数量を合わせる
一個の商品に「汚れ」と「縫製不良」が同時にあれば、不良項目は二件でも不良品は一個です。工場へ伝える不良内訳と、倉庫で管理する現物数を混同しないようにします。
| 数量欄 | 記入内容 |
|---|---|
| 入庫数量 | 倉庫で受け取った総数[ ] |
| 検品済み数量 | 指定項目を確認した現物数[ ] |
| 適合品数量 | 現時点で基準内の現物数[ ] |
| 不良品数量 | 現物を重複せず数えた数量[ ] |
| 判断保留数量 | 日本側または限度見本の判断待ち[ ] |
| 未検品数量 | まだ確認していない現物数[ ] |
| 不良項目件数 | 傷、汚れ、縫製など分類別の発生件数[ ] |
原則として、入庫数量と各ステータスの合計が整合する状態を作ります。分納、SKU違い、箱不足などがある場合は、品番・入庫便・箱番号別にも同じ照合を行います。
日本企業向け・中国倉庫検品のご相談
不良発見後の隔離・工場確認・再検品を整理する
商品写真、品番別数量、検品基準、現在の入庫・検品状況をご共有ください。倉庫で止める範囲、証拠の残し方、工場確認後の仕分け・再検品条件を確認します。
- ✓品番・SKU・箱番号別の数量整理
- ✓不良写真・動画・判断保留情報
- ✓工場へ確認する内容と希望処置
- ✓処置後の再検品・出荷判定条件
対応範囲・費用・作業日程は、商品と現在の保管・検品状況を確認したうえで個別にご案内します。
工場へ確認する内容を「事実・質問・希望処置」に分ける
倉庫から工場へ連絡するときは、責任の断定から始めず、確認できた事実と質問を分けます。希望する処置がある場合も、費用負担、納期、作業方法が工場の同意事項かを文章で残します。
| 区分 | 伝える内容 |
|---|---|
| 確認済みの事実 | 品番、ロット、検品数、不良品数、不良状態、写真・動画番号 |
| 未確認範囲 | 未検品数量、別SKU・別入庫便への影響、原因未確定の項目 |
| 工場への質問 | 出荷前記録、同一ロットの状況、想定原因、影響範囲、代替品在庫 |
| 希望処置 | 選別、手直し、部品交換、再製作、交換、返品などの候補 |
| 回答期限 | 出荷予定から逆算した回答希望日時 |
| 承認条件 | 誰が処置を承認し、どの基準で再検品するか |
返品、交換、再発送、返金の選択は、倉庫内の現物整理とは別の商務判断です。処置案を比較する段階では、既存の中国OEMの不良品対応も参照し、数量、納期、物流、費用負担を確認してください。
手直しや部品交換は承認後に始める
汚れ除去、糸始末、ラベル貼り直し、部品交換、再包装など、倉庫で実施できる可能性がある作業でも、勝手に進めるべきではありません。現物状態が変わるため、工場が原因を確認できなくなったり、作業後の責任範囲が曖昧になったりします。
作業前に次の条件をそろえます。
- 対象品番、対象現物番号、数量
- 具体的な作業手順と使用する部材・道具
- 作業前後の写真記録
- 外観や機能へ影響を与えないための注意点
- 工場、日本側、倉庫の承認者
- 費用負担と所要日数
- 作業後の再検品項目と合否基準
技術判断や専門設備が必要な修理は、通常の倉庫作業として対応できるとは限りません。工場へ戻すか、適切な作業場所と手順を別途確認します。
再検品は「直した箇所だけ」で終わらせない
処置後は、元の不良が解消したかを確認するとともに、手直しによって別の問題が生じていないかも確認します。例えば部品交換後なら、外観だけでなく取付状態や簡易操作、付属品、再包装状態など、処置の影響範囲を決めます。
- 再検品対象を固定する。 処置品全数か、同じ原因が疑われる範囲を含むかを決めます。
- 初回と同じ識別番号を使う。 処置前後の記録を一件として追跡します。
- 元の不良項目を再確認する。 同じ方法・同じ基準で改善の有無を見ます。
- 二次影響を確認する。 傷、変形、付属品不足、包装崩れなどを確認します。
- 数量を再集計する。 適合、不良、保留、返送対象、未検品を更新します。
- 結果を日本側へ報告する。 出荷へ進める品と、引き続き止める品を区別します。
出荷放行は検品報告とは別に承認する
再検品で適合となったことと、案件全体を出荷してよいことは同じではありません。最終出荷前に、適合品数量、保留・不良品の行先、包装、箱別明細、必要書類、出荷先情報を確認します。
- 出荷対象の品番・SKU・数量が確定している
- 保留品、不良品、返品予定品が出荷箱へ混入していない
- 手直し・交換品の再検品結果が記録されている
- 箱番号と箱別数量が台帳に一致している
- 包装・ラベル・付属品の追加作業が完了している
- 日本側の出荷承認者と承認日時が記録されている
検品結果から出荷可否を決める項目は、中国OEMの出荷判定で詳しく整理しています。
不良発見後の報告書テンプレート
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 案件・品番・SKU | [ ] |
| 入庫日・入庫便・箱番号 | [ ] |
| 検品方法・確認項目 | [ ] |
| 入庫数/検品済み/未検品 | [ ]/[ ]/[ ] |
| 適合/不良/判断保留 | [ ]/[ ]/[ ] |
| 不良分類・現物番号・証拠番号 | [ ] |
| 工場回答・影響範囲 | [ ] |
| 承認した処置・対象数量 | [ ] |
| 再検品項目・結果 | [ ] |
| 出荷対象/保留/返品等 | [ ]/[ ]/[ ] |
| 承認者・承認日時 | [ ] |
依頼前チェックリスト
- 不良発見時に止める工程と対象範囲を決めたか
- 適合、不良、判断保留、未検品の置場を分けられるか
- 現物番号と写真・動画・箱番号を関連付けるか
- 不良品数と不良項目件数を分けて集計するか
- 入庫数と各ステータスの数量が一致するか
- 工場への質問と希望処置を分けているか
- 手直し前に作業手順、費用、承認者を確定するか
- 再検品の対象・項目・基準を決めたか
- 処置前後の記録を同じ現物番号で追えるか
- 検品完了と出荷承認を別に記録するか
よくある質問
不良が一個見つかったら、ロット全体を止めるべきですか?
不良の影響、同じ原因が及ぶ範囲、検品方法、未確認数量によって異なります。まず該当現物を隔離し、同一箱・SKU・部品・生産ロットなど原因が共通し得る範囲を整理して、日本側が追加確認範囲を承認します。
倉庫で簡単に直せる不良なら、その場で手直ししてよいですか?
原則として作業前に承認を取ります。現物状態を変える前に証拠を残し、手順、対象数量、費用負担、再検品条件を工場・日本側・倉庫で共有してください。
工場へ送る写真は不良箇所のアップだけでよいですか?
アップだけでは製品や位置を特定できません。商品全体、該当箇所、品番・箱番号、必要に応じて測定値や包装状態を一組にし、現物番号を付けます。
交換品が届いたら、そのまま出荷できますか?
初回と同じ不良がないか、数量が合うか、仕様・付属品・包装が注文内容どおりかを再確認します。交換品の再検品結果を記録してから、案件全体の出荷判定へ進めます。
相談時に何を送ればよいですか?
商品写真、品番・SKU別数量、現在の保管場所、検品基準、発見した不良の写真・動画、入庫・出荷予定、工場との連絡状況をご共有ください。未確定の項目は、倉庫で確認可能な範囲から整理します。
不良品を動かす前に、現物と判断の流れを固定する
倉庫検品で不良が見つかった後は、返品や手直しを急ぐより、現物を止めて区分し、証拠と数量を一致させることが先です。そのうえで工場確認、処置承認、再検品、出荷判定を順番に進めれば、「何を確認し、何が未解決か」を関係者間で共有しやすくなります。
China2JPの中国倉庫の検品サービスへご相談いただく際は、商品情報と現在の状況をお知らせください。商品と条件を確認したうえで、対応可能な範囲、費用、日程をご案内します。
日本企業向け・中国倉庫検品のご相談
不良品を出荷前に整理し、次の判断へつなげる
不良が見つかった現物を動かす前に、品番・数量・写真・工場回答を整理します。仕分け、手直し、返送、再検品のうち、案件に必要な作業をご相談ください。
- ✓品番・SKU・箱番号別の数量整理
- ✓不良写真・動画・判断保留情報
- ✓工場へ確認する内容と希望処置
- ✓処置後の再検品・出荷判定条件
対応範囲・費用・作業日程は、商品と現在の保管・検品状況を確認したうえで個別にご案内します。
Related posts
アパレル検品の採寸方法|測定位置・置き方・許容差をそろえる
香港空港送迎|到着ロビーの待ち合わせから深セン出張まで
検品後の再梱包・出荷準備|中国倉庫で個装・ラベル・箱明細を整える方法
検品指示書の作り方|中国倉庫に伝える対象数・手順・写真記録
中国倉庫の検品見積もり|作業範囲・SKU・梱包条件の伝え方
第140回広交会|海外バイヤー同行者証の申請方法・費用・注意点【2026年】
中国倉庫の検品報告書|不良写真・数量・保留品の見方
倉庫検品で不良が見つかったら|隔離・工場確認・再検品の進め方
全数検品と抜き取り検品の違い|中国倉庫で依頼範囲と報告方法を決める
アパレルの分納・多品番検品|サイズ・色・下げ札を倉庫で管理する方法
アパレル検品チェックリスト|外観・縫製・寸法・副資材の確認項目
カバン検品チェックリスト|中国倉庫で確認する縫製・ファスナー・金具
最新情報
対応エリア
深セン・義島・広州、上海、中国全土